
今シーズンの大きな目標の一つに剱岳の登頂がある。(2017.09.09)。
ルートと実績
馬場島・剱岳登山口(3:05)⇒松尾平(3:37)⇒三角点・1921(5:54)⇒早月小屋(7:03-13)⇒2600m(8:34)⇒休憩10分⇒2800m(9:44)⇒剱岳山頂(10:50-11:40)
⇒2600m(13:05-24)⇒早月小屋(14:15-20)⇒馬場島・剱岳登山口(17:30)
1)歩行時間:14時間25分(休憩・昼食含む)
2)歩行距離:約17.6Km(AMBIT3 PEAKより)
3)累積プラス高度:約2450m(AMBIT3 PEAKより)
4)カメラ:K-1+DFA24-70mmF2.8、KP+DA 55-300mm F4.5-6.3 ED PLM
5)その他:単独、百名山65座目(剱岳)
6)ルートマップ参照
6月の谷川岳主脈縦走を完歩し、もう一つの大きな目標である剱岳(早月尾根)登頂のチャンスを待つ。今年は天候が安定せず、中々チャンスが訪れなかったが9月になって大陸からの高気圧が東に移動するようになりチャンスの気配である。
先週、剱岳を想定して前夜車中泊にて折立から薬師岳を往復した。歩き込みが足りなかったからか?往路後半は失速ぎみだった。少し不安があったが、山の大先輩に背中を押され山行を決意した。
先週とほぼ同様のルートで富山に入り18時に馬場島に着く。馬場島荘前の駐車場は空いていたが、車中泊には落ち着かないので登山口近くの路上際の駐車スペース(トイレ隣)に駐車して登山口を確認したら睡眠をとる。
夜中、、近くに街灯があるのかと思ったが月灯りである。加えて車の灯りが近づいたり離れたり、駐車場所を探す車であろう。1時を過ぎて目がさえてしまった。この時間から歩き始める登山者もいる!、、私もゆっくり準備して3時に登山口に向かう。
ヘッドライトの灯りを頼りに「試練と憧れ」の石碑の奥の登山口から山中に入る。先ずは木枠で補強されたような急な階段で松尾平まで登る。慣れない夜間登山で足もとや平衡感覚が気になりペースは上がらない。早くも一人二人と抜かれていく。
松尾平を越えると立山杉の根っこ急勾配を何度も乗り越えるように登り続ける。頭上には私を抜き去った登山者の灯り、真下には私に迫る登山者の灯りが点々と確認できる。5時を過ぎると空が明るくなり、6時前に1921mの三角点、小さな池際から剱岳山頂らしき頂が見えた。その先シラビソの歩きにくい斜面を越え早月小屋着・・登山口より4時間弱。


標高1900m付近・・・右手に劔御前と奥大日岳を仰ぐ(写真左上)、中央には浄土山が顔を出している。1921mの三角点通過(写真右上)、正面のギザギザは小窓尾根だろうか?


小さな池際から剱岳らしき山頂が見える(写真左上)。シラビソの歩きにくい斜面(写真右上)、、これを登り切ると早月小屋が見える。

標高2224mの小さなピークに辿り着くと前方の視界が開ける(写真上)。すぐ下に早月小屋、その背後は左側から・・・剱岳、別山、劔御前、浄土山、奥大日岳、大日岳。


小窓尾根から登る太陽(写真左上)。早月小屋(写真右上)・・・本日は満室との張り紙がある。ヘルメットをザックから出してサブカメラとストックをしまう。花撮りは下山時に頑張ろう・・・この時はそう思っていたが・・・
早月小屋までは10数人に抜かれたが4時間はかからなかったのでまずまずである。ここから山頂までは標高差800m程、3時間ほどで登れると思ったが甘かった。2400m付近からは足が前に出なくなり頭痛である。足取りも少し怪しいので2600mを越えた辺りで腰を下ろす。2800mを越えると岩稜帯となり鎖も連続した。疲れ切った脚だけではなく両腕も使える、下り待ちも多く、展望もどんどん良くなるので楽になって来た。視界が更に開けて頭上には別山尾根ルートとの合流点が見える。山頂は目前だ。

標高2400m付近で早月小屋を見下ろす(写真上)。右には大きく毛勝山が聳える。


これから歩くヤセ尾根の背後に剱岳が聳える(写真左上)。ヤセ尾根を越えて振り返る(写真右上)。高度感があって楽しいが疲れた脚には堪える。

劔御前と奥大日岳の間には室堂が広がる(写真上)。噴煙は地獄谷からであろう。その奥には気高い薬師岳、その左奥には黒部五郎岳である・・・
こちらズーム。

疲労困憊で軽い高山病かな・・・岩際に腰掛けて、小窓尾根越しに白馬岳を眺め(写真上)、体を休める。

大日岳の遥か先には白山(写真上)。

標高2800m間近となり小窓尾根越しに白馬の山々から毛勝山が良く見える(写真上)・・・こちら
拡大山名付。


眼下に2600m付近、背後には富山市街と富山湾(写真左上)。標高2800mへ、、背後の剱岳山頂には登山者が立っているのが良く見える(写真右上)。

2800mから眺める山頂への稜線(写真上)。ハイマツから岩稜帯に変わっていく。

いよいよ核心部へ(写真上)、鎖場が連続するが疲れた2本足で進むよりも両手が使えて楽に感じた(西黒尾根の鎖の方がヒヤヒヤ感ある?)。ただ一ヵ所、胸辺りに岩が突き出て少しオーバーハング気味に渡る箇所があり胸のカメラバッグが邪魔であった。

高度が上がって劔沢カールと立山が見えてきた(写真上)。素晴らしい景色だ!ここに立っているのは本当に私なのか・・・と感じてしまう。


直下辺りまで来ると下る登山者が増えてきた。下に見えるは核心部、気をつけておくだり下さい(写真左上)。
立山の左側の山々も見えてきた。山頂近し・・見上げると別山尾根ルートの合流点だ(写真右上)。合流点を越えると
山頂の祠が視界に入る。。
早月小屋より3時間40分も要して辛くも
剱岳山頂に立った。山頂は大混雑と思ったが
20人ほどでであった。祠の奥に陣取ってカメラバックとザックを下ろして望遠の利くサブカメラも取り出して、おにぎりやパンをかじっては周囲の景色をおさめる。立山辺りは雲が上がったが槍ヶ岳は見えました。後立山の名山は特に良く見える。寛いでいると、登山者がドンドン登ってきて祠の辺りは大混雑、周囲の雲も上がって来た。山頂には50分程、名残惜しいですが下山の途に着く。

剱岳山頂からのパノラマ(写真上・・・こちらは
拡大山名付)。猛々しい八ツ峰越しに連なる後立山の山々が特に素晴らしい。

白馬の山々(写真上)。白く見える白馬鑓ヶ岳が特に目立つ。

唐松岳(写真上)。今年もお花いっぱいの時期に行きたかったが雨が多くて行けなかった。来年は行きたいな。

五竜岳(写真上)。兜のようなカッコよい山容だ。

鹿島槍ヶ岳(写真上)。双耳峰なので良く目立つ。

立山は雲に隠れたがその背後には尖がった槍ヶ岳が展望できる(写真上)。左側の少し低い尖がりは前穂高のようだ。

室堂と雲に見え隠れしている薬師岳(写真上)。先週の薬師岳は展望不発だった。あの山から眺める立山・劔は素晴らしいのだろう。

別山尾根ルートの難所・・・カニノヨコバイ辺りだろう(写真上・・・
拡大はこちら)。次回は室堂から登ってみたい、、展望は更に素晴らしく鎖も手ごわいことだろう。

名残惜しいが下山開始・・・直下のガレバを別山尾根ルート分岐に向かいながら展望する(写真上)。雲が増えてきたが劣らない絶景である。足もとにも注意して慎重に下ろう。
石を落とさないように岩稜帯を注意深く下る。イワツメクサやシコタンソウ等が咲いているがサブカメラはザックの中なので撮影できず。鑑賞のみとなる。2800mまで下れば最大の難所は越えるが、疲労で膝と腰が頼りなく。2600mプレート付近で再び腰を下ろしてヘルメットをしまい、ストックを出す。周囲はお花畑でトリカブト、ミヤマリンドウ、チングルマの穂、ヨツバシオガマを眺めホッとする。今日の状態だと屈みながらの花撮りは最小限しか無理でしょうからサブカメラは取り出さなかった。
山頂より2時間35分を要して賑やかな早月小屋まで下った。途中、出会った地元の登山者が小屋から下が大変なので小屋に泊まりたいが満室だと嘆いていた。私もきついだろうと思ってはいたが、小屋を発つと現実となった。立山杉の段差の急勾配が延々と続く早月尾根はとても手ごわい・・・兎に角、集中力を切らさないようにゆっくりと・・3時間を要して何とか登山口に生還した。

直下の岩稜帯眺める(写真上)。遥かしたのは早月小屋の赤い屋根が見える。


険しい岩場に咲くウサギギク(写真左上)。ボルトが一本打ち込まれた鎖(写真右上)・・交差は要注意です。

小窓尾根にもガスが上がって来た(写真上)。


2600m付近のお花畑に咲くトリカブト(写真左上)とヨツバシオガマ(写真右上)。


テント場を通って早月小屋へ(写真左上)。賑やかな小屋の玄関(写真右上)。。水分は2リットル持参したが下山も大汗かくので念のためペットボトルの飲料水を購入・・・正解であった。


登山道にはタムラソウ(写真左上)やアキノキリンソウが沢山咲いている。立山杉の急勾配を下っていく(写真右上)。


延々と続く杉根っこの階段(写真左上)。やっと下山、、登山口辺りに置かれた「試練と憧れ」の石碑(写真右上)。
何とか歩き切ったが、本山行は今シーズン最も大変であった。疲れてはいるが、もうひと頑張りしなければならない・・・じつは明日はお勤めでした。馬場島から7時間運転して自宅に帰り、風呂に入って2時間寝たら、もう出社の時間だった。
こんなハードな日程でハードな山行は、もうやめましょう。。
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