
笠ヶ岳山行時に見た端正な鷲羽岳が忘れられず、8月も山小屋一泊での山行を計画する。双六岳・三俣蓮華岳を歩きながら鷲羽岳と水晶岳を展望したら翌日に、この二座登頂を目指す(2016.0808_09)。
[2016.08.08(月)]
ルートと実績
新穂高第3駐車場(4:20)⇒新穂高センター(4:31-35)⇒笠新道登山口(5:39)⇒わさび平小屋(5:52)⇒小池新道登山口(6:13)⇒秩父沢出合(6:58)⇒シシウドヶ原(8:07-13)⇒鏡池・鏡平山荘(8:53-9:13)⇒弓折乗越(10:10-16)⇒双六小屋(11:22-50)⇒双六岳(13:01-07)⇒三俣蓮華岳(14:25-26)⇒三俣山荘(15:10)
1)歩行時間:10時間49分(休憩含む)
2)歩行距離:約19.8Km(eTrex30より)
3)累積高度:約+2175m/-734m(eTrex30より)
4)その他:単独
5)ルートマップ(二日分)参照
前回は週末の深夜1時半に新穂高第3駐車場に着けたが満車だった。今回は深夜2時過ぎ着、月曜日でしたが空きは20台も無かった。少し仮眠したかったが、この時間から準備を整える登山者で騒がしい、1時間程、体を休めたら準備を整えて4時20分に駐車場を発つ。


早朝4時半に新穂高センターから佐俣林道へ向かい、ワサビ平を越えて
小池新道登山口から入山する。思った通りの好天・・・沢沿いを登って
秩父沢を渡ると背後には
焼岳と乗鞍岳がクッキリ見える。登山口より2時間ほどでシシウドヶ原着、ベンチに座って
穂高連峰・焼岳・乗鞍岳を眺める。

7月の笠ヶ岳では道中全く展望が無かったが、今日はここまで素晴らしい展望だ。
鏡池では雲一つ無い空に槍ヶ岳・穂高連峰が聳えていた。しかし、残念なことに風が強く池の水面は鏡の様に山々を映しだせない。。風がおさまるのを待つも、その気配はなく、、すぐ先の
鏡平山荘のベンチに座って一息入れる。
ヨツバヒヨドリ、
キオン、
イブキトラノオ?、
ミヤマリンドウ、
チングルマの穂等が綺麗であった。


弓折乗越へ標高をグングン稼ぐと
槍や穂高の眺めは更に素晴らしくなる。
槍の西側に延びた西鎌尾根には槍ヶ岳を目指す登山者が何人も確認できる。いつの日かこの尾根から槍登頂を狙いたいものだ。
弓折乗越に辿り着くと沢山の登山者が展望を楽しんでいた。ここからはお花咲く尾根を北上して双六岳・樅沢岳の鞍部に建つ
双六小屋へ・・・鷲羽岳を眺めながら緩やかに下って辿り着く。
カレーを注文して昼食とする。
クロトウヒレン、
ヤマハハコ、タカネヤハズハハコ、
コオニユリ、
ミヤマコウゾリナ、
ウサギギク、
ヨツバシオガマ等々が綺麗であった。


小屋の西側の急な斜面を登り双六岳を目指す。ひと登りで穏やかになり巻道と中道を分けて進むと
岩の多い斜面で再び高度を稼いでいく。
背後の樅沢岳越しに槍ヶ岳が大きく聳えるころ、穏やかで広い双六岳への稜線を歩くようになる。左手には
ピラミッドの様に尖った笠ヶ岳が雲から見え隠れ、振り返ると
天に鋭く突くような槍ヶ岳、そして正面の穏やかな
丘のような頂が双六岳山頂だ。
双六岳山頂は10名程の登山者が展望を楽しんでいる。穂高や笠ヶ岳は既にガスに隠れてしまったが西日を
受けた荒々しいくも気高い槍ヶ岳が何とも素晴らしい。

双六岳の直下を
下りながら眺める山岳風景に心躍る(
拡大山名付き)。稜線を北上し丸山へ登り返して眺める
双六岳の優しい山容と荒々しい槍ヶ岳も印象的だ。そして本日最後のピークである
三俣蓮華岳へ向かい、
その頂に辿り着くと初めて見る
雲の平が眼下に広がった。
ミヤマキンポウゲ、
ハクサンイチゲ、
イワギキョウ、
タカネヤハズハハコ等が美しく咲いていた。

三俣蓮華岳を東に下って本日お世話になる三俣山荘へ向かう。
山荘の背後には明日登頂を目指す鷲羽岳・水晶岳が聳えている。そして15時10分、、
三俣山荘着。今日は最後まで良い天気、良い展望であった。
山荘では布団2枚で3人と言われたが、結局は一人一枚確保。名物の鹿肉のシチューも美味しくいただいた。だが、受付前のテレビを見ると明日は早朝から曇りで午後は雨のようだ。昨夜の予報では今日よりも明日の方が更に良かったはずだが・・・。。。晴れることを願いながら床に就く。
[2016.08.09(火)]
ルートと実績
三俣山荘(4:45)⇒鷲羽岳(6:12-35)⇒ワリモ北分岐(7:30)⇒水晶小屋(8:16)⇒水晶岳(9:00-07)⇒ワリモ北分岐(10:19)⇒岩苔乗越⇒昼食12分⇒雲ノ平分岐・徒渉点(11:41)⇒三俣山荘(12:24)⇒三俣峠(13:07)⇒巻道⇒双六小屋(14:30)⇒弓折乗越(15:35-42)⇒鏡平山荘(16:17)⇒シシウドが原(16:50)⇒秩父沢出合(17:42)⇒小池新道登山口(18:12)⇒わさび平小屋⇒笠新道登山口⇒新穂高温泉(19:31)⇒新穂高第3駐車場(19:39)
1)歩行時間:14時間53分(休憩含む)
2)歩行距離:約28.6Km(eTrex30より)
3)累積高度:約+1648m/-3147m(強風による気圧のブレで誤差大・・・eTrex30を手修正)
4)その他:単独、百名山60座目(鷲羽岳)、61座目(水晶岳)
深夜1時ごろ目が覚めると外からの強い風の音が伝わってきた。。テント泊の人は大丈夫だろうか?今日の天気はやはり今一つか・・・再び眠りに落ちる。
予定より30分遅れの4時に起床してをゆっくり準備を始める。昨夜は雨も降ったようで風はおさまっていない。薄暗い強風では花撮りの一眼の出番は無いだろうからザックにしまい、夏と冬のウインドブレイカー出して着込み山荘をでた。


ガスった槍を眺めながら
鷲羽岳へ向かう。今にも雨が降りそうな天候で山頂付近はガスっている。滑りやすいガレバの斜面が中盤までつづき、強風でバランスを崩さぬように腰を落として慎重に登る。終盤には
岩の斜面・・・マーキングを見極め慎重に。。そして1時間20分をも要し
鷲羽岳山頂に立った。相変わらずの強風だが体温を奪われる気温ではないため20分以上山頂で粘る。しかしガスが吹き払われる気配はなく。北側の尾根筋を下る。


ワリモ岳手前の鞍部まで下るとガスが薄くなり、振り返ると下ってきた
鷲羽岳が確認できた。登り返して
ワリモ岳手前の岩場を越えていると二人組の登山者とすれすれ違い言葉を交わす。午後は雷雨かも・・・とのこと。



ワリモ岳を越えて穏やかに下ると
ワリモ北分岐に着く。山々はまったくと言って良いほど見えず、モチベーションが落ちてしまい、ここから下山しようかと思ってしまう。でも時刻はまだ7時半で計画から15分程度の遅れである。ウインドブレイカーを一枚脱ぎ花撮り用のカメラをザックらか出し、気を入れ直して歩き始める。
水晶小屋へ向かうと周囲はお花畑のようで
イブキジャコウソウ、
イワベンケイ、イワツメクサ、
ミヤマコゴメグサ等が咲いている。
水晶小屋を見送り、
展望の無い穏やかな稜線を進むとガスった前方は黒い岩の塊のようである。ここからが直下の岩場なのだろうか?
ハシゴを登り、切れ落ちた狭く滑りやすい岩場を登っていく。
山頂は360度の大展望なのだろうが、今日はまったく見えず、狭い岩場には登山者が続々と登ってきたたため居心地が悪い。北峰はガスってよく見えず、向かう人もいない。リベンジを誓って早々に下山してしまう。
水晶岳は道中、ほぼ展望が無かったので登頂したという実感はとても薄い。ただ、岩場に咲いていた
ミネウスユキソウ、
シコタンソウ等が印象に残った。



ワリモ北分岐まで戻ったら
岩苔乗越経由で鷲羽岳と祖父岳の間の沢沿いを下って黒部源流へ向かう。
風は穏やかになり日差しも少しそそぐようになった。三俣山荘の弁当を取り出して朝兼昼食とする。魚の甘露煮、ツクネ、卵焼き、ハス等々・・上等な弁当であった。
黒部源流碑への道は夏のお花が咲き誇り
見上げると鷲羽岳の青空、、、本日最も楽しいひと時であった。
ヨツバシオガマ、
アキノキリンソウ、
オンタデ、
ハクサンフウロ、
モミジカラマツ、
トリカブト、クロトウヒレン、
ミヤマアカバナ?、
エゾシオガマ、ウサギギク、
オオバミゾホオズキ、ミヤマリンドウ、
オタカラコウ?等々。。
源流碑から150m程登り返し三俣山荘へ戻る。
源流碑への下りで寛いだためか。時刻は既に12時を大きく過ぎている。日没前までに林道(小池新道登山口)に下れないようなら双六小屋にもう一泊することも想定し、
三俣山荘を後にする。



三俣山荘から双六小屋へは巻道を選んだが、一旦200m程標高を上げる(三俣峠)ので思った以上に時間を要した。巻道は随所にお花畑が広がっていたが霧雨が降り出したため鑑賞することなく双六小屋へ向かった。
双六小屋着は当初計画より30分遅れであったが、標準時間で下れば日没前に佐俣林道へ辿り着けそうである(下山を決断する)。
弓折乗越辺りから霧雨は小雨となり
鏡平山荘から先の岩の多い道は雨で濡れて滑りやすい。兎に角、足元に集中して慎重に下り日没30分程前に小池新道登山口に下山する。雨はいつの間にか止んでいたので、あとは佐俣林道をゆっくり下っていき、最後はヘッドライトのお世話になりながら
新穂高センタへ辿り着く。今日は時間も距離も長く、足腰に堪えた・・・このまま自宅への長距離運転では下山よりも遥かに無謀でしょう。。。健康ランドにでも立ち寄って少し仮眠としよう。
初日は槍ヶ岳が夕刻まで展望できる理想的な天気で素晴らしい山行であったが、二日目は思いもしなかった天候で鷲羽岳・水晶岳は残念であった。この山域は今回初めててあったが何とも魅力的だ。次回はもう少し奥へ、そしてリベンジも果たしたいものだ。
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